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【目的別】実習でバランス練習をする目的と方法の解説【リハビリ】

治療手技の解説
  • 実習でつらい思いをしたくない
  • 楽しく過ごしたい
  • 人間関係が不安だ
  • 実習を落としたくない

そんな学生に向けて「実習を楽しんでほしい」と願いを込めたnoteを作成しました。

学校では教えてくれない、実習中の過ごし方を教えます。実習に悩んだらぜひ覗いてみてください。

 

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「バランス練習は片足立ちとかステップ練習をやっておけばいいですよね!」

 

バランス練習を実施する時、どこまで深く考えてやっていますか?

人間は重力と筋力と支持基底面でバランスの釣り合いを取っています。

患者のバランスが悪いというけど、それって何のバランス?

 

学生こそバランス練習の意味を知り、患者に合った運動を実施すべきです。

バランス練習をすることで患者の身体機能はかなり改善します。

しかし間違ったやり方では全く効果のない代物になってしまいますので、今の内からバランス練習の方法、考え方を学んでください。

 

バランス練習の実施方法

バランスとは『支持基底面内に重心線を位置させることで状態が安定している状態』を指します。

 

バランス練習は筋力強化や可動域exだけで改善させようと思っても改善しません。

バランスには反射、感覚、反応などが加味されるので非常に難解なもの。

 

バランス練習には主に4つの種類があります。

  1. 支持基底面を減らす方法(片足立ちなど)
  2. 重心を移動させる方法(座る→立つ、手を挙げるなど)
  3. 支持面を不安定にする方法(不安定板の使用など)
  4. 感覚入力を減らす方法(目を閉じるなど)

患者に不足しているバランス能力を捉え、練習していってください。

まずは安全に配慮し、平行棒内などから始めると良いでしょう。

 

支持基底面を減らすバランス練習の方法

支持基底面を減らすのは、人間が生活するうえで非常に重要となります。

座っている状態から立ち上がると、支持基底面は「臀部と足底」から「足底のみ」へと変化します。

支持基底面が減った状態であると言えますね。

 

こうした場合、支持基底面を減らすバランス練習は非常に有用となります。

例えば、片足立ちをしたり、つま先立ちをしたりタンデム肢位を取ったり。

支持基底面を減らしつつバランスを取れるというのは歩行動作にも直結するので、ぜひ鍛えておきたいところです。

 

【対象患者】

  • ワイドベース
  • すり足歩行
  • 杖などの補助具使用者
  • 転倒リスクの高い患者

 

重心を移動させるバランス練習の方法

重心を移動させると、動作しやすくなります。

逆に重心移動が出来ないと動作しにくいです。

 

例えば、立ち上がる際は重心は前方に移動してから上方に移動します。

歩行は重心移動の連続です。

 

重心移動が上手くできないと、立ち上がれなかったり、歩くときに小股歩行になります。

起き上がりもベッド柵などが必要になりますし、移乗動作の介助量も増えます。

重心移動できるということは、動作がしやすくなるという事なので、「なんとなくやりにくそうだな・・・」と感じたら重心移動の練習をしてみることをおすすめします。

 

立ち上がれない患者には、前方に椅子を置いて手を着かせ、お尻を上げる練習。

手を着いて立つ練習

 

小股歩行の患者には、平行棒内でステップ練習。

転倒リスク患者には、立位でバンザイしたりバスケットボールを胸から前方に離したり。

色々な方法があるのでぜひ試してみてください。

 

重心移動練習の効果がでると、FRT(Functional Reach Test)の結果も良くなります。

 

【対象患者】

  • 立ち上がれない・起き上がれない患者
  • 小刻み歩行
  • 立位姿勢で膝・腰が曲がってる
  • 転倒リスクの高い患者

 

支持面を不安定にするバランス練習の方法

支持面を不安定にするというのは、バランスマットやクッションの上などに座る・立つことで重心移動を修正する練習になります。

 

 

人間の重心は常に動いており、重心が右に移動したら無意識に左へと修正しています。

また、急な外乱が加わったり、躓いたりしたときも足関節や股関節の動きでバランスを保つ(重心を支持基底面内に留まらせようとする)のも無意識にできますよね。

この能力が低いと、外乱で簡単に転倒したり、不整地(砂利道やデコボコの歩道、砂浜など)で上手く歩けないことにもつながります。

 

基本的に人間には外乱に対して抵抗する能力があります。

ストラテジーという機能ですが、これがないと転倒しやすくなると言われています。

 

特に自宅に帰る患者で、外出頻度が高い方にはぜひ実施していただきたいメニューですね。

単に屋外歩行をするだけでも十分な効果が望めます。

 

【対象患者】

  • ステッピング反応がすぐに出る
  • 立脚後期が短い
  • 自宅に帰る患者
  • ある程度バランス能力の高い患者

 

感覚入力を減らすバランス練習の方法

人間は視覚や聴覚、表在感覚でもバランスを取っています。

その内のどれかが弱まるとバランスはとりにくくなるのは想像してれば分かりますね。

健常者でも目を瞑ればまっすぐ歩けませんし、全く音がしない場所でもスムーズに歩くことができません。

 

また、過去の記憶やイメージなども重要で、以前転倒したことのある場所などではバランスがとりにくくなります。

 

高いビルや吊り橋では床がしっかりしてても足がすくむ経験をしたことがありませんか?

それ、全て感覚入力から来ているものです。

 

怪我をすると、関節の動きや筋出力の低下により感覚が変化します。

膝がガクッとなりそうという表現をする人もいます。

 

そんな患者には、感覚入力を減らした練習をすると良いです。

 

目を瞑って立ってみたり、その場で足踏みさせたり。

足元を見ないで歩かせたり、履物を裸足→靴下→靴へと変化させたり。

 

どんな状況でも安全に移動するるためには感覚が必須になります。

それが難しい方には、感覚入力を減らしたバランス練習がおすすめです。

 

静的バランスと動的バランス

バランスには静的バランスと動的バランスがあります。

 


  1. 静的バランス:物体が静止しているときに不意な外乱が加わってもその場から動かず保持できる、または転倒しないようにバランス戦略(ステップ反応など)がとれる状態
  2. 動的バランス:物体が動いているときに不意な外乱が加わ手も平衡感覚を保ちながら動作を遂行できる状態

 

この2つが折り重なり、バランス能力を保っています。

特に高齢者の場合、この2つ共に低下していることが多いので分けて評価するべきです。

静的バランスにも動的バランスにもさまざまな要因が絡んでいることを忘れないようにしなければなりません。

 


【バランス能力に影響を与える要因】

  1. 平衡機能(原始反射、立ち直り反応など)
  2. 運動能力(関節柔軟性、筋力、敏捷性、骨アライメントなど)
  3. 感覚機能(皮膚感覚、運動覚、視覚、聴覚など)
  4. 認知機能(理解力、集中力、注意力など)
  5. 環境(床面状況、明暗、障害物など)

 

もしバランスが悪いと感じたら、これらの評価もすることをおすすめします。

 

バランス能力の評価

バランス能力の評価は以下の通りです。

 

  • 開眼片足立ち:健常高齢者で15秒
  • FRT(Functional Reach Test):25cm以下で歩行介助レベル
  • Timed Up & Go test:10秒未満で歩行自立、30秒以上で歩行障害
  • BBS(Berg Balance Scale):46点以上自立

 

詳しい説明やカットオフ値はこちらの記事をご参照ください。

歩行・バランス・認知検査などカットオフ値まとめ!臨床実習で役立つリハビリ評価
臨床実習でよく使う評価のカットオフ値をまとめました。実習評価の参考にしてください。

 

目的の動作に合ったバランス練習をしよう

バランス能力は日常で様々な場面で重要な働きをします。

だからといって、闇雲にバランス練習をしても仕方ありません。

 

患者にとって、どのタイミングでバランスが悪くなるのかをしっかりチェックしておく必要があります。

  • トイレで下衣の上げ下ろしの際にふらつく
  • 歩行時、右に曲がるときにふらつく
  • 屋外歩行でふらつく
  • 人に声をかけられたときにふらつく

いろいろあると思います。

その動作を観察し、分析することで問題点を抽出していきましょう。

 

動作からの問題点抽出の方法はこちらに詳しく載っています。

動作分析できない・苦手な人向けのポイントと書き方>>>

【リハビリ】動作分析・歩行分析に必要なポイントと記し方【リハビリ臨床実習対策】
学生がなかなか理解できない動作観察と動作分析についてです。動作観察を超カンタンに行う方法や、動作分析に意義や目的、ポイントをまとめています。

 

患者がバランスを崩しやすいポイントを押さえ、それに合った介入、バランス練習をしていきましょう。

 

まとめ:バランス練習は生活に必須!積極的に導入しよう!

バランスを向上させることができればかなり安定した動作が可能となります。

安全に日常生活を営むことを目標にするのであれば、バランスは超重要な介入ポイントです。

 

絶対に適当に実施せず、どんな能力が欲しいのか分析し、そこにピンポイントでアプローチできるよう努めていきましょう。