理学療法士を目指す実習生の自殺が増えています。
今回は、実習が辛いと感じており、自殺したいと思ってしまった学生に向けた記事になっています。
理学療法士の実習生が自殺したのは、臨床実習中のパワーハラスメントが大きな原因です。
以前にも、実習中のパワハラが原因で自殺した学生がおり、遺族が養成校と実習先に損害賠償を求めました。
その際、全額支払いを裁判所は命じました。
この一件から、パワハラ=施設・養成校が悪いというような流れに世間がなっていきました。
今も、もしかしたらパワハラで悩んでいる実習生が居るかもしれません。
臨床実習で、「これ、おかしいぞ?」と思ったら我慢せず、まずは養成校の教員にご相談ください。
実習先でコレがあったら間違いなくアウトな案件
実習時間外での課題、日誌
実習時間外で、不当な量の課題や日誌を行う事は認められていません。
ただし、家庭内学習として必要な分は認められています。
どの程度の分量が目安かというと、1日1時間程度と、私の担当する養成校からは言われています。
1時間で何ができるかは分かりませんが、それ以上の分量の課題を与えられることはパワハラに該当する恐れがあります。
ただし、自己研磨するにあたり、1時間の学業では到底足りません。
あくまで「実習に必要な課題(デイリーノート・レポート等)」が1時間以内であり、その他自由学習は自由なので、お間違いのないように。
昔のように、徹夜でレポートやレジュメを仕上げたり、○○について明日までに調べてきて!というような教養は、今の時代はされないはずです。
ただし、強要されないからといって学習しなくていい、というわけではありません。
強要されない分、学習できているか、できていないかは学生に委ねられました。
自己研磨できない学生は、落ちこぼれるだけなので、ご注意を。
個人情報の流出
学生を中心に、患者に対する個人情報は保護されています。
つまり、指導者が患者に対し、あなたの「名前・学校名・年齢・住所」等をお伝えすることはできません。
たまに「自己紹介してもらえなかった」という学生もいますが、私たちはあなたの紹介を出来ません。
自己紹介はあなた自身がするものです。
言いたいなら言えばいいし、言いたくないなら言わなくていいです。
指導者があなたの情報を患者に積極的に話しているようであれば、それはNGです。
逆に、学生が指導者の情報を漏らすのもNGであり、訴訟の原因にもなりますのでご注意ください。
レポート・レジュメに頼った実習
理学療法士の実習は、1人の患者を診てレポートとレジュメを仕上げることが目的でした。
しかし、現在はCCS(クリニカルクラークシップ)といい、症例レポートを作成する形態の施設は少なくなっていると思います。
もちろん、レポート作成が全てダメではありません。
レポートを作成するスキルは今後必要ですし、理学療法士として患者の状態をまとめ、報告する能力はとても大切です。
でも以前のように、レポートを50枚も書いたり、毎日添削と修正の連続はいけないということです。
いまでもそういった指導をしている施設は、ちょっと危ういです。
そういった施設で実習している学生は、パワハラの疑いがあるので教員に相談する案件だと思います。
居残りでの指導
学生は、定時間がきたら実習は終了させるようにお達しが来ています。
昔のように、20時・21時まで学生を残らせてはいけません。
もちろん、フィードバックや指導が時間内に間に合わないこともあります。
その場合は、あまり遅くならないように10分程度残ったり翌日に持ち越したりします。
ただ基本的に学生は残しません。
だから、本来なら経験したことが新鮮なうちにフィードバックしたほうがいいのですが、それが翌日に持ち越しになってしまうとちょっともったいない気もしますが、仕方ないですね。
だから毎日遅くまで残されている学生は、パワハラに値するので教員に相談したほうが良いと思います。
実習先が主体の実習中止
現在のCCSでは、実習先が実習を中止にすることはできません。
実習中止を判断するのは、あくまで実習生本人であり、管轄する養成校です。
実習先で「あなたは向いていない」「辞めたら?」「帰れ」と言われるようなことがあってはいけないんです。
もしそんな扱いを受けているとしたら、教員に相談してください。
まとめ
実習生は守られています。
自殺したいと思う前に、まずは教員に相談してください。
実習が中止になっても救済措置で別の実習先を紹介してくれます。
教員も、そうしないといけないからです。
実習だからとビクビクせず、「あ、ここヤバいな」とおもったら我慢せずに教員に相談することが必要だと思います。
そして、辛くなったら休んでもいいと思います。