病院で働く理学療法士や作業療法士は、基本的に白衣やスクラブなど、職場で決められたユニフォームを着用しています。
これは、医療スタッフとして清潔感を保つことや、患者さんから見て誰が医療従事者なのかを分かりやすくする目的があるためです。
訪問リハビリなどでは、動きやすさを重視してジャージやポロシャツのような服装で働いている職場もありますね。
こうした服装については病院や施設ごとにある程度統一されていますが、意外と自由度が高いものがあります。
それが、仕事中に履く院内シューズです。
理学療法士は患者さんの歩行練習や移乗動作、立ち上がり練習など、さまざまな場面で身体を動かす仕事です。そのため、毎日履く靴によって仕事のしやすさが変わってくることも少なくありません。
今回は、理学療法士や作業療法士におすすめの院内シューズについて、スニーカーとサンダルのメリット・デメリットを比較しながら紹介していきます。
院内シューズにはどのような種類がある?
基本的に院内シューズは、職場で使用する上履きと考えてよいでしょう。
看護師にはナースシューズと呼ばれる専用の靴がありますが、リハビリスタッフには特定の職種専用シューズがあるわけではありません。
病院ごとに細かな規定が設けられている場合もありますが、大きく分けるとスニーカーとサンダルの2種類に分かれます。
では、理学療法士が病院で働く場合、どちらのシューズを選ぶとよいのでしょうか。
まず確認しておきたいのが、勤務先の靴に関する規定です。
病院によっては、次のようなルールが設けられていることがあります。
-
紐靴は禁止
-
かかとのない靴は禁止
-
白色の靴のみ使用可能
-
音が出やすい靴は禁止
-
安全性を考慮してサンダルは禁止
このように、病院によって靴の選択肢が異なるため、まずは職場のルールに従う必要があります。
私の勤務先では特に細かな指定がなかったため、スニーカーを履いている人もいれば、サンダルを履いている人もいました。
私自身も両方のタイプを使用してきましたが、それぞれにメリットとデメリットがあります。
実際に使ってみた経験も踏まえながら、おすすめの院内シューズを紹介していきましょう。
スニーカーのメリット・デメリット

スニーカーは、院内シューズとして最も無難な選択肢だと思います。
何といっても種類が豊富で、デザインや機能性、価格帯など、自分の好みに合わせて選べるのが魅力ですね。
最近では紐を結ばずに履けるスリッポンタイプも多く、着脱のしやすさを重視した商品も増えています。
個人的におすすめしたいのは、ニューバランス系のスニーカーです。
ニューバランスは日本人の足にも合わせやすい
ニューバランスのスニーカーは、足幅やサイズのバリエーションが豊富なモデルもあり、自分の足に合った靴を見つけやすいのが特徴です。
足の形は人によって異なるため、どのメーカーが日本人に合うと一概には言えませんが、ニューバランスは比較的フィットするモデルを探しやすいメーカーだと感じています。
私がおすすめしたいのは、ニューバランスのMRL247です。
軽量で足にフィットしやすく、歩行練習などで頻繁に移動する理学療法士にも使いやすいモデルでしょう。
クッション性もあり、長時間立ったり歩いたりする仕事でも、足への負担を軽減しやすいのが魅力です。
院内シューズは毎日使うものですから、デザインだけでなく、実際に履いたときのフィット感や歩きやすさを重視したいですね。
ナイキならエアフォース1もおすすめ

ナイキのスニーカーであれば、エアフォース1も候補に入ります。
エアフォース1は、しっかりとした作りと安定感のある履き心地が特徴です。
デザインもシンプルなので、白衣やスクラブにも合わせやすいでしょう。
ただし、購入する際にはサイズ選びに注意してください。
足の形によっては、最初に履いたときに窮屈に感じることもあります。特に足幅や甲の高さには個人差があるため、できれば実際に試着してから購入するのがおすすめです。
スニーカーはモデルによって重さやクッション性、足の固定力が異なります。仕事中に長時間履くことを考えて、自分の足に合うものを選びましょう。
クロックスも院内シューズとして人気

病院によって賛否はありますが、クロックスを院内シューズとして使用している医療スタッフも見かけます。
クロックスの魅力は、何といっても軽さと着脱のしやすさです。
一般的なスニーカーと比較して軽量なモデルが多く、足への負担を抑えながら気軽に履けるのが特徴ですね。
また、足を入れる部分にゆとりがあり、蒸れにくい構造の商品もあります。
足底の形状によっては歩きやすさを感じられるものもあり、長時間の勤務で愛用している人もいるでしょう。
ただし、スニーカーと比較すると足を固定する力は弱くなりやすいというデメリットがあります。
特に注意したいのが、患者さんの歩行介助を行う場面です。
患者さんの身体を支えながら後ろ向きに歩く場合や、急な方向転換をする場合には、靴が足から浮いたり脱げそうになったりすることがあります。
理学療法士は患者さんの動きに合わせて素早く足を踏み出す必要があるため、靴が脱げやすい状態では不安が残りますね。
そのため、クロックスを使用するのであれば、かかとを固定できるストラップ付きのモデルを選ぶとよいでしょう。
ただし、ストラップが付いていてもスニーカーと同等の固定力が得られるわけではありません。勤務先の規定や実際の業務内容を踏まえて選択してください。
リハビリスタッフこそ靴にこだわろう
ここまで理学療法士の院内シューズについて紹介してきましたが、靴選びはリハビリスタッフだけでなく、患者さんにも当てはまる重要なポイントです。
まず、リハビリスタッフが靴を選ぶ際には、次の4つを意識してみましょう。
-
歩きやすい靴
-
足にフィットする靴
-
疲れにくい靴
-
着脱しやすい靴
理学療法士は、想像している以上に靴を脱いだり履いたりする機会が多い仕事です。
患者さんのベッドサイドで動作練習を行ったり、プラットホーム上で関節可動域運動や筋力トレーニングを実施したりするため、靴の着脱を繰り返す場面があります。
そのため、フィット感だけを重視するのではなく、着脱のしやすさも考慮しておきたいところですね。
また、リハビリスタッフは勤務中にかなりの距離を歩きます。
私の感覚では、1日の歩数は約6,000〜10,000歩、距離にすると4km程度になることもあります。
患者さんの訓練場所への移動や、歩行練習への付き添いなどを繰り返していると、自然と歩数が増えていくものです。
これだけの距離を毎日歩くのであれば、足に合った靴を選ぶことは非常に重要でしょう。
そう考えると、個人的にはサンダルよりもスニーカーの方がおすすめです。
もちろん、足の蒸れが気になる方や、着脱のしやすさを優先したい方にはサンダルという選択肢もあります。
最近は通気性に配慮した靴下もありますし、5本指ソックスを使用することで指の間の汗が気になりにくくなる場合もあります。
靴の蒸れが気になる場合には、まず靴下を見直してみるのもよいかもしれませんね。
患者さんの靴選びもリハビリの重要なポイント
ここまではリハビリスタッフの靴選びについて紹介しましたが、患者さんの靴についても考えてみましょう。
特に回復期リハビリテーション病棟などでは、患者さんが使用する靴の選択が歩行練習の質にも関係してきます。
患者さんが歩きやすい靴や、着脱しやすい靴を選ぶことは当然大切です。
ただし、リハビリの時間だけ院内用の上履きを履いて練習すればよいというわけではありません。
可能であれば、自宅で普段から使用している靴を病院に持ってきてもらい、その靴を使って歩行練習を行うことも重要です。
なぜなら、退院後に自宅で生活するときには、病院で使用していた上履きではなく、普段履いている靴を使用することが多いからです。
病院内では問題なく歩けていたとしても、自宅で使用している靴に履き替えた途端、歩きにくさを感じる可能性があります。
靴の重さや形状、足へのフィット感などが異なれば、歩行時の安定性や動作のしやすさにも違いが出てくるでしょう。
また、患者さん自身が今まで何とも思っていなかった靴でも、身体機能の低下や麻痺、関節可動域制限などによって、履きにくくなっている場合があります。
こうした問題を把握するためにも、実際に自宅で使用している靴を確認することには大きな意味があります。
もしリハビリスタッフから患者さんに新しい靴の購入を提案するのであれば、病院内だけでなく、自宅に戻ってからも気兼ねなく履ける靴を選んでもらいたいですね。
靴選びも退院後の生活を見据えたリハビリの一部だと考えておきましょう。
私がおすすめする最強の院内シューズはかかと付きサンダル

ここまでスニーカーとサンダルのメリット・デメリットを紹介してきました。
私自身、どちらのタイプも使用してきましたが、最近採用しているのが、かかと部分に立ち上げがあるサンダルです。
このタイプの靴は、かかと部分を倒せば通常のサンダルのように使用でき、かかとを立ち上げればスニーカーに近い感覚で履くことができます。
つまり、サンダルとスニーカーの両方の特徴を持った2WAYタイプのシューズですね。
普段の業務ではかかと部分を倒しておけば着脱が簡単ですし、歩行練習や階段練習など、足をしっかり固定したい場面ではかかと部分を立ち上げて使用できます。
この使い分けができる点は、リハビリスタッフにとって非常に便利だと感じています。
ただし、選ぶ際にはかかと部分の構造にも注意が必要です。
かかとを固定する部分が細いバンドだけの商品では、強く踏み込んだ際に外れたり、破損したりする可能性も考えられます。
患者さんが転倒しそうになったときなど、リハビリスタッフは咄嗟に足を踏み出すことがあります。
そのような場面でも安心して使用できるように、できるだけ丈夫で足をしっかり固定できるタイプを選びたいですね。
もちろん、かかと付きサンダルであっても、スニーカーと同じ安全性が確保されるわけではありません。歩行介助や移乗介助の頻度が高い方は、スニーカーを選ぶ方が適している場合もあるでしょう。
さいごに:理学療法士の院内シューズは仕事のしやすさで選ぼう
今回は、理学療法士や作業療法士におすすめの院内シューズについて紹介しました。
靴の選び方は人それぞれですが、仕事中に長時間履くものだからこそ、自分にとって使いやすい靴を選ぶことが大切です。
個人的には、普段から履き慣れているスニーカーを院内シューズとして使用するのが、最も無難だと思います。
足に合ったスニーカーであれば、歩行練習や移動の際にも使いやすく、長時間の勤務でも比較的快適に過ごせるでしょう。
仕事で使う靴だからといって、どうせ汚れるからと安価なものを選ぶ必要はありません。
1日24時間のうち約8時間、1週間のうち5日間も履くものですから、多少値段が高くても、履き心地や機能性にこだわって選ぶ価値は十分にあります。
もちろん、サンダルにも着脱しやすいというメリットがありますので、自分の仕事内容や好みに合わせて選んでみてください。
毎日使う院内シューズだからこそ、ぜひ一度、自分の靴を見直してみてはいかがでしょうか。

