初めての臨床実習は不安の方が大きいですよね!
なぜ不安かと言うと、どんなことをするのか想像もつかないから。
臨床実習に臨む前に、実習ってどんな事をする所なのか、どんな1日を過ごすのかを知っておけば少しは気持ちが楽になります。
ここでは少しでも不安を解消して有意義な実習ができるよう、リハビリ臨床実習に向けて説明していきます。
実習の内容を知って、「実習への心構え」を学んでいきましょう!
臨床実習ってどんな感じ?
臨床実習とは、実際に病院などの施設へ行き、リハビリを行っている現場で「臨床業務に共に参加」しながら学ぶ体験学習のこと。
実際に患者と接し、評価し、問題点抽出し、治療プログラムを立案する。
そんなリハビリの流れを体験し、リハビリテーションを学ぶという学習です。
「体験」「学習」という言葉の通り、学生は臨床実習で実際の治療現場を体験することが目的となります。
だから基本的には「できなくて当たり前」なんです。
出来ない事を学ぶ場ですからね。
今まで学校で学んできたことをもとに、リハビリテーション業務体験から患者の状況に合わせたリハビリを学んでいくんです。
だから過度に心配する必要なし。
そして、分からなければ「分かりません」といい、調べる・吸収していくという姿勢で参加してほしいですね。
そう思うと、少しだけ気が楽になりませんか?
できなくてもいいんです。失敗しても良いんです。
これは学生の特権ですよ。
リハビリ臨床実習のマナー
いくら学生といえど、実習に向けてのマナーを押さえておくべき。
もう20歳前後ですからね、きちんと「社会人」としての立ち居振る舞いが必要です。
臨床実習中に必要なマナーは以下の4点
- 身だしなみ
- 態度
- 話し方
- あいさつ
この4項目はキチンとしておかないといけません。
①臨床実習中の身だしなみ
臨床実習中の学生の身だしなみの基本は「清潔感」です。
患者に触れる・見られる仕事ですから、相手に不快感を与えない身だしなみが求められます。
あなたの身だしなみは大丈夫ですか?
- 髪型
- 顔色
- 服装
の3点をチェックしてください。
1)髪型のチェックポイント
女性の場合
- 長い髪は束ねてアップにする
- 肩にかかる場合はお団子にする
- 前髪、横髪が目にかからないようにする
- 下を向いても髪が乱れないようにする(ピンで留めるなど)
- 髪を束ねるゴムは黒、紺、茶などシンプルなものにする
- 髪色は、黒か茶の自然な色とする
男性の場合
- 髪が耳にかからないようにする
- えりあしは襟に触れない長さにする
- 寝グセは直し、清潔感を保つ
- 整髪料で髪を立てたりしない
- 髪色は、黒か茶の自然な色とする
僕は毎朝シャワーを浴びて寝癖が無いようにしました。
また、実習中に髪が伸びてしまうので、少しだけ鏡を見ながらカットをしていました。
髪型が整っていないとだらしない印象になります。
特に女性はピンやネットを使用し、髪が乱れないように工夫しましょう。
男性は基本的には短髪であることが望ましいですね。
2)顔色のチェックポイント
- 女性のメイクはキツすぎず、ナチュラルにする
- 眉毛は不自然に剃らない、細くしない、濃くしない
- 男性は、髭を伸ばさないようにする
女性はメイクに気を使いましょう。
少しのメイクで顔色が良く見えるなら、ノーメイクじゃなくてOK。
男性はヒゲを剃るように。
オシャレなヒゲも、人によっては不快感や不潔感、威圧感を与えてしまいます。
3)服装のチェックポイント
- しわ、汚れ、ほつれなどがないようにする
- ボタンは全て留める
- 下着が透けないように注意する(男性も)
- 名札は決められた位置につける
- 靴下は無地の白にする
- 靴は白を基調としたものとし、サンダルは避ける
- 靴のかかとを踏まないようにする
- 靴は汚れがないよう綺麗に洗っておく
僕はケーシーは毎日持ち帰り、アイロンがけをしていました。
1500円くらいの安いアイロンがあると便利。
白いケーシーは下着が透けます。
女性はキャミソールやスパッツなどを履くようにしましょう。
男性も派手なトランクスなどは透けてしまい、不快感を与えるので無地の物を選ぶべきです。
また、しゃがんだ時にことから見えないように工夫しましょう。
②臨床実習中の態度
身だしなみをいくら整えても、態度が悪いと印象は悪くなってしまいます。
学生としての学習態度はどういったものなのか、おさらいしておきましょうね。
- 相手の目を見て話す
- あいづちや頷きの反応を示す
- 笑顔を心がける
- ゆっくり、はっきりと相手に聞こえるように話す
- 腕を胸や後ろで組まない
- 歩く際はダラダラと歩かず、足音を極力立てない
- スタッフや患者とすれ違う際にあいさつをきちんとする
普段から身についていないと、つい悪態をついてしまうこともあります。
注意されて気付くこともありますので、できる限り努力しましょうね。
③臨床実習中の話し方
社会人として、相手に敬意を持った話し方を心がけましょう。
つい話し言葉になってしまうことがあると思いますが、基本的には敬語を使用します。
- 必ず敬語を使う
- 返事は「うん」ではなく、「はい」
- 口調がきつくならないようにする(語尾を強調しない)
- 必要以上に大きな声を出さない
- 相手が聞き取りやすいようにゆっくりと話す
特に患者やスタッフと仲良くなってくるとボロが出やすいです。
あくまで相手に尊敬の念を持って対応しましょう。
後で何を言われるか分かりませんから・・・
④臨床実習中のあいさつ
挨拶はコミュニケーションの基本であり、学生が最も意識してほしい項目の1つです。
どんな時も明るく笑顔で元気よく。
治療技術や知識ではセラピストに勝てないかもしれませんが、元気の良さなら勝てますよね。
- あいさつは明るく笑顔でする
- 自分から進んであいさつする
- 廊下ですれ違う人にもあいさつ、または会釈をする
挨拶は誰にでもできるので、ぜひ意識して挨拶してくださいね!
好印象を与える挨拶の方法をこちらの記事でまとめています
臨床実習に参加する心構えの基本
病院で実習する経験というのは一生でこの時期のみです。
様々な疾患に対する治療を手伝えるのは非常に貴重な体験だと思います。
真面目に、真摯に取り組んで努力してください。
臨床実習は日々のデイリーノートやレポート作成など、学校の勉強と違いかなり大変かと思います。
寝不足にもなるでしょうし、疲れてしまうと思います。
でもその中でCEからのアドバイスを受け、成長できていくので学生らしく「素直に」受け止めることが大切かと思います。
指導されたことが「自分がダメだから注意された」と捉えるのか「新しいことを教わった」と捉えるかでずいぶん内容が変わってきますよね。
2か月の実習は長いですが、人生の中では短い(と思います)ので、アドバイスを受け止めて少しでも成長して学校に戻りましょう!
臨床実習は、学校で勉強してきたことを現場に生かすためのもの。
だからいくら勉強のできる学生でも指導は受けますし、それがあたりまえ。
この実習の苦労は、決して無駄になりませんよ。
理学療法士のみならず、どんな仕事でも最初は苦労するんだと思います。
指導者からの質問には間違っていてもいいから答えて、指導内容の意味を考えて、積極的に指導を受けることが大切。
指導を受けても、落ち込まなくていい!
できなくていいんだ!という心構えが一番大切かな。
臨床実習に参加する前に準備しておくこと
実習前に事前学習しておくことはとても重要。
各病院の特色や患者の疾患に合わせた勉強も大事ですが、基本的な理学療法は勉強しておくべきですよ。
①基本的な理学療法技術
基本的な理学療法技術は以下の通り。
- バイタルサイン測定(体温、脈拍、血圧、SPO2など)
- 関節可動域測定
- 徒手筋力検査
- 感覚検査
- 歩行観察
- 杖・車いすの使い方
- ADL評価
- 問診・視診
これらが基本的技術になります。
この技術は分野や疾患が違っても、どこの病院でも実施されるであろう内容になるので、しっかりと抑えておく必要があります。
もちろん、クラスメイトと一緒に評価の練習はすべき。
また、ROMやMMTのやり方は縮小コピーしてポケットに忍ばせておくと役に立ちますよ。
基本的な理学療法が分からないと、応用がききません。
一生懸命勉強してきてください。
臨床実習を乗り切る方法
①ストレスをためない
臨床実習を乗り切るには、ストレスをためないこと。そして頑張りすぎないことです。
忙しい中、いろいろな事に手を出すと頭がパンクしてしまうので息抜きはキチンとしましょうね。
- 友人とこまめに連絡を取る
- 課題は完璧を求めない
- 何もしない時間を作る
- 早く寝る
僕は毎週金曜日になると実習先の周辺のお店でビールを飲んでいました。
週末になると飲み歩きができるので楽しかったです。
土曜日は完全オフとし、一切課題には手を付けず、日曜に課題をするようにしました。
一度、どうしても終わらないので徹夜をしたこともありますが、そんなに頑張っても特に良いことはありません。
眠いし、疲れるし、結局ダメだしされるし。
だったら、課題なんて適当になんとなく済ませておけばOK。
終わらなければ「終わりませんでした、すみません」って謝ればいいんだから。
実習がすべてではないですし、多少課題を忘れたところで大きな問題にはなりません。
もし悩みがあるなら、学校や友人に相談しながら進めるといいですよ!
②報連相をしっかりする
報連相は「報告・連絡・相談」のことです。
どんな些細な事でも良いので、確実に報連相をしましょう。
- 忘れ物の報告をしない
- 自分の考えや解釈を伝えない、連絡しない
- 自分のやりたい事や考えを相談しない
こういったことが続かないようにしましょうね。
私たちはあなたの考えを100%くみ取ることはできません。
しっかりと報連相することで、実習は比較的スムーズに進みます。
③自信を持って取り組む
臨床実習とはいえ、業務の一端を担う事になります。
患者はあなたの事を学生だと認識しますが、同時にリハビリのプロであると思っています。
あなたが患者に携わることで、患者の今後の生活を担っているんです。
と、堅苦しいことを言いましたが難しいことは考えなくて良いです。
自分の立ててきた理学療法プログラムに自信を持ち、患者を良くするために全力を尽くしてください。
理学療法士の楽しさはそこにあります。
自信が無くてオドオドしながら過ごすより、失敗してもめげずに自信を持って堂々とニコニコ過ごせればいいと思います。
失敗したら指導者か学校の先生が責任を取るから大丈夫です
まとめ
臨床実習に参加する前の心構えを5つ紹介しました。
- 実習ってどんなもの?を知る
- リハビリ臨床実習のマナーを知る
- 臨床実習の心構えの基本を知る
- 臨床実習に参加する前に準備しておくことを知る
- 臨床実習を乗り切る方法を知る
病院での臨床実習は、リハビリテーションを実際に体験できる貴重な場です。
せっかくの臨床実習を無駄にしないように、事前の準備をして、スムーズに実習に入れるようにしましょう!
最後に、CE目線から2つ、学生の皆さんに伝えておきます。
①臨床実習は学生だけじゃなく実習指導者も「キツイ」
臨床実習はキツイし辛いですが、実は実習指導者もキツイです。
指導者は学生と一緒にチームを組み、指導をしつつ患者を良くしていかなければなりません。
学生が介入したから良くならなかった・・・なんて思われてはいけないんです。
だから学生を持つ指導者も必死。
しかも少ない時間でデイリーノートの確認やフィードバックをしなければならないので、かなり忙しい。
「実習指導者だってキツいし、毎日勉強をしてるんだ」
そう思うことで、キミの「キツさ」も少し軽くなりませんか?
②実習で学生が失敗しても(CEが)カバーできる
学生は失敗します。
経験や知識が乏しいから当たり前ですよね。
かといって、チャレンジしないのは大きな機会損失になります。
失敗しそうだから、怖いからという理由で実行できないのであれば、私たちに相談してください。
キミたちのミスは僕たちが100%カバーできます。
キミたちが治療できなくても、私たちが治療します。
もっと私たちを信じて、多くの事にチャレンジしてください。
私たちはキミたちに「指導する」とともに「責任を取る義務」もあります。
どんどん指導者に責任を擦り付けましょう。
リスク管理は指導者の仕事です。
以上です。
臨床実習って、べつに怖くないんですよ。
キミたちはただ「学びに来てるだけ」ということを改めて知ってください。
そして、学びに来ている以上は本気で患者と向き合ってほしいと思います。
これから、すべての学生はCCS(クリニカルクラークシップ)の指導方針になります。
私たちと共に「チーム」として臨床に当たるのですが、ここで「足を引っ張ったらいやだな」と思うのでなく「自分が失敗しても指導者が助けてくれる」くらいの心構えで参加してくれればいいと思います。
以上、臨床実習にこれから向かう前の「心構え」でした。