臨床実習で重要になるのが「チェックリスト」です。
「でもチェックリストは面倒くさいし先生もちゃんと見てないよ」
そんな方も多いのではないでしょうか。
チェックリストは、学生の現在の能力や進捗状況を知るうえで重要となります。
それと同時に、あなたの頑張りを第三者(学校の教員など)に伝えるための物になります。
あなたが正当に評価されるものですので、まず学生のみなさんが、チェックリストの使い方を知ることから始めましょう。
この記事では
- 皆が知っておきたいチェックリストの使い方
をお伝えしていきます。
【参考書】
タイトルが作業療法となってますが、理学療法でも十分役に立ちます。
CCSで活用!臨床実習でのチェックリストの使い方
チェックリストはCCS(クリニカルクラークシップ)の実習形態で必須のリストになります。
チェックリストの基本的な使い方は以下の通りです。
- 学生が学んだところにエンピツでチェックをつける
- 指導者が学生と確認しながら、指定の色ペンで上書きする
基本的には学生主体のチェックリストになりますので、「指導者が教えた」と思っていても学生が「まだ理解していない」というのであればチェックは増えていきません。
だから学生はそこまで深く考えず、とりあえず見学したからチェックしとこ。
みたいなノリで大丈夫。
それを見ながら指導者がチェックするかしないかを判断しますから。
チェックリストで重要な見学・模倣・実施の原則
チェックリストは見学・模倣・実施の原則に沿って実施していきます。
- 指導者はやり方を見せ、説明する(見学)
- 指導者の指導のもと、学生が患者に実施する(模倣)
- 指導者の見守りのもと、学生が患者に実施する(実施)
ですので、見学が終わっていないのに模倣や実施に移るということはありません。
もしそのような事態が発生したら、「まだ見学していないので見学からお願いします」とお伝えください。
チェックリストは「すべての疾患に対応する」
たとえば、大腿骨転子部骨折の患者をもち、股関節のROM-exが実施レベルになったとしましょう。
その場合、股関節屈曲のROMは大腿骨転子部骨折の患者のみに適応されるのでなく、その他の患者にも適応されます。
つまり、大腿骨転子部骨折でROM-exが実施になったら、ROM-exを脳卒中やパーキンソン病の患者にも実施してOKということになります。
これは、評価項目にもいえることですので、1つの項目が実施になったらいろいろな患者を触らせてもらいましょう。
ある学生のフォローに入った時にROM-exをお願いしたところ、「先生(私)からはまだ習っていないのでできません」という方がいましたがこれは間違いです。
学生はA先生から指導された内容はB先生から教わってなくても実施できるんです。
間違えないようにしてくださいね。
なぜチェックリストを使うの?
チェックリストは学生の到達度を客観的に把握・評価するためのものです。
実習生であるキミたちは「自分ではできると思っていたけどここまでしかチェックされない」と、自分のイメージと実際の到達度を計る目安になります。
同様に、学校の教員や実習指導者もチェックリストを確認することでその学生がどこまで学習してきたかを確認することができるので、正確なチェックが必要になります。
前の実習で股関節ROM-exの「模倣」にチェックがついていたら、次の実習先では「模倣」から開始します。
そういった使い方をするのがチェックリストなんです。
また、臨床実習のみでチェクリストを全て埋めるのは不可能です。
なぜこんなにチェック項目があるのかを学校の教員に解いたところ、チェックリストは卒業後も使用してほしいツールだ、とのこと。
チェックリストは実習だけで終わるのでなく、就職したあとも活用して自分がどのレベルまで実施できているのかを確認するために使用していってほしいのだそう。
チェックリスト利用のポイントは以下の通りです。
- 学生チェックのあと、指導者が清書する
- 見学・模倣・実施の原則に沿う
- チェックリストは「すべての疾患に対応する」
- チェックリストは一生使うもの
まとめ:チェックリストを使って幅広く学習していこう!
チェックリストは研修生の到達度を評価するツールでなく、いままでの研修の積み重ねや、まだ体験できていない項目を確認するためのツールです。
チェックリストに記載されている項目から研修生の能力に合わせて技術項目を選択していくためのものなので、適当にチェックしないで「本当にできるか?」を自問自答しながらチェックしてみてください。
チェックが多ければよい!と言うわけではないので注意してくださいね。
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