国家試験の実地問題をどう攻略するかは非常に重要です。
- 1問3点と高配当
- 43点以上取らないと不合格
この2つの要素が実地問題にはありますので、絶対に対策をしておきたいところ。
逆に言えば、実地問題がパーフェクト(120点満点)とれれば、あとは一般問題160問のうち48問取れればいいわけですから非常に有利になります。
ここでは、以下の問題集に含まれる実地問題の解き方を分かりやすく解説します。
実地問題を解くうえでの重要なポイント
- 落ち着いて文章を読む
- ROM、MMT、理学療法学は落とさない
- 整形外科、脳血管問題は落とさない
- 問題が何を聞いているのかを把握
- 最低でも15問以上の正解を目指す
実地問題は1問3点ですので可能な限り多くとったほうがいいです。
ここでどこまで点数を稼げるかが、合格への近道。
その中でも『ROM、MMT、PT学、整形、脳血管』は外さないようにすれば、必然的に15問以上の正解は見えてきます。
ですので、まずは過去問の実地問題は絶対に外さないようにし、過去問は満点取れるレベルにしておきましょう。
実地問題を攻略する勉強方法
先ほども言いましたが、実地問題では『ROM、MMT、PT学、整形、脳血管』はサービス問題で、配点もかなり大きいです。
もしも、どこから勉強していいか分からない場合は、『ROM、MMT、PT学、整形、脳血管』を中心に勉強しましょう。
これに解剖学を追加すれば共通問題や専門問題の攻略も比較的楽になりますよ。
ROM・MMTの勉強の方法
ROM・MMTの問題は基本的に画像が出てきます。
その中で誤っているものを選ぶ問題がメイン。
だから方法を覚えておくだけでなく、「絵で覚えておくこと」が非常に重要になります。
上の画像では、誤ったMMTの方法を問われています。
あなたは分かりますか?
MMTの教科書をしっかり見て、画像で覚えておいてくださいね。
ROMとMMTは理学療法士の基本ですし、ここを落とすようではいけません。
普通に教科書を覚え、基本的な評価ができれば絶対に正解する問題なので100%正解するようにしましょう。
ここは100%です!
でも実地問題のROMやMMTを落としてしまう人も結構います。
ここを落としてしまう人は覚え方が曖昧なのと、細かい部分を覚えない人が多いんです。
- 移動軸・基本軸をキチンと覚えているか?
- 指の外転ROMは覚えているか?
- MMTの段階2の肢位を覚えているか?
細かい所をキチンと覚えておきましょう。
特に指・体幹の勉強もしっかりしておきましょうね。
ROM・MMTの対策は、過去問をたくさんやることと実践で覚えることが重要。
あとは別法も覚えておく必要がありますよ!
文章問題・画像問題の勉強法
- 年齢・性別で差異のある疾患を覚える
- 正常な人の画像を覚える
例えば「80代の女性が起居動作腰痛を訴える、疑われる疾患はどれか」という問題で脊柱のCT画像がドン!っと出ている。
で、選択肢がいくつかあるわけですけど「80代の女性」と言うのが1つのポイントになります。
80代の女性に起こりやすい腰痛の出る疾患は「腰椎圧迫骨折」「骨粗しょう症」。
選択肢にこの2つがあれば、画像を診なくても正解は分かるわけです。
だからまずは問題文をしっかり読み、この問題は何を答えてほしいのか?何を解いたらいいのか?を考えてみることをおすすめします。
また、いきなり疾患の画像を見て「どこが変か?」を聞かれても答えられません。
間違い探しの間違いの絵のみを見ても、どこが間違いかわからないですよね。
だからまずは「正常な人の画像」をしっかりと見ておくことが必要です。
脳の画像問題の勉強法
実地問題でよくあるのが脳のMRIの画像から症状を読み取る問題です。
脳画像から読み取れることはかなり情報として多いのですが、普通に解剖学を勉強しておけば解ける問題も多いんですよ。
脳の部位を勉強し、その部位が何をつかさどっている部分なのかを知っていればそこが障害されればどんな影響が出てくるか分かるはずです。
脳の部位をメチャクチャ簡単に紹介すると
- 前頭葉:話す
- 頭頂葉:書く・読む
- 側頭葉:聞く
- 後頭葉:見る
となっています。
あとは障害されている部位を読み取れれば、どんな疾患か分かります。
実地問題対策【問題の意味を考える】
実地対策の問題はちょっとわかりにくい言い回しをしてくることがあります。
それをしっかりとくみ取れるようになりましょう。
- 正しいのはどれか
- 誤っているのはどれか
- 適切なのはどれか
- 適切でないのはどれか
ここを勘違いする方が非常に多いんです。
出題がどんな意味を持っているのかを確実にくみ取り、問いていきましょう。
過去問を丸暗記していると、このような問題に引っ掛かりやすいので注意!
症例問題など、文章を読まなきゃ取れないものは、まずポイント、キーワードを箇条書きで書くようにします。
例えばこの問題
キーワードは
-
- 45歳の女性(脊髄小脳変性症)
- ADL:自立
- 独歩:可能(最近ふらつきが多くなり、ときに転倒することがある)
- 会社への通勤:電車
このことから、症例は、脊髄小脳変性症の初期であると言えます。
選択肢はこちら
正解は「立位での下肢筋力増強」です。
- 背臥位でのストレッチは運動失調(協調性運動)改善が見込めないため優先度は低い
- 眼球運動による前庭刺激運動は、前庭機能低下による平衡機能障害に対する運動療法
- 立位での下肢筋力増強である。小脳失調を主体とする脊髄小脳変性症に対して、バランスや歩行に対する理学療法を集中的に行うと、小脳失調や歩行が改善する
- 外的リズムに合わせた平地歩行は、パーキンソン病に対する理学療法
- T字杖を使用した応用歩行よりも優先度が高い選択肢が他にある
以上の事から「3」と答えることができます。
文章読んで理解するのが苦手な方は読解力が乏しく、長文を読むと嫌になってしまいます。
だから箇条書きでキーワードを抜き出し書いた項目がキーワード。
選択肢を見ながら「これは違う。 これは当てはまる。」というのを考えていけば、政界にたどり着くことが出来ます。
参考にしてみてください。
まとめ:実地問題はまんべんなく出てくる
実地問題の対策は実はそんなにありません。
- 問題文を良く読む
- 画像を診れるようになる
- 運動学・解剖学をしっかり勉強する
- 問題の意味を把握する
この4つが重要です。
特に学生は画像を見る機会がほとんどないので、苦手意識をもっているんだと思います。
でも実地問題の対策をするには実は一般問題をしっかり勉強していれば対策できます。
共通問題や専門問題をしっかり勉強し、解剖学、内科学、運動学をしっかり勉強していれば実地問題も解けるはず。
逆に言えば、基礎的な問題を勉強していて、文章を読み取る能力があれば実地問題は解けるという事ですね。
実地問題は怖くありません。
むしろチャンス問題なので、臆することなく挑んでいってください。
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