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担当患者が腰椎椎間板ヘルニアになった臨床実習で役立つ「評価」「治療」のリハビリ

疾患別評価・治療
  • 実習でつらい思いをしたくない
  • 楽しく過ごしたい
  • 人間関係が不安だ
  • 実習を落としたくない

そんな学生に向けて「実習を楽しんでほしい」と願いを込めたnoteを作成しました。

学校では教えてくれない、実習中の過ごし方を教えます。実習に悩んだらぜひ覗いてみてください。

 

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※当ページのリンクには一部広告が含まれています。

各疾患には日本理学療法士協会が提唱する「理学療法ガイドライン」というものがあります。

過去の様々な研究や文献、論文から効果の有無や信頼性の高さを分類し、ガイドラインとして多くの理学療法士が作成しているもので、我々も臨床介入の参考にしています。

学生も、エビデンスのある介入をしていく必要があるので、ここでは分かりやすくエビデンスのあるもの(信頼性が高いとされているもの)をピックアップし、記載していきます。

 

教科書に載っていることも重要ですが、このガイドラインも重要ですのでぜひ臨床参加研修(臨床実習)の参考にしてください。

 

今回は腰椎椎間板ヘルニアについてです。

 

【腰椎椎間板ヘルニア】
椎間板は線維輪と髄核でできていて、背骨をつなぎ、クッションの役目をしている。その一部が押し出され、神経を圧迫してヘルニアの症状となる。椎間板が加齢などにより変性し断裂して起こり、腰や臀部が痛み、下肢にしびれや痛みが放散したり、足に力が入りにくくなる。

 

【参考書】

 

腰椎椎間板ヘルニアの疫学

  1. 職業
    :事務職などに比べて重労働者での発生率が高い
    :特に運転手、金属・機械業労働者の発症リスクは約 3 倍にもなる
    :女性は主婦が最もリスクが低く、車の運転もヘルニア発生の危険因子の 1 つ
  2. スポーツ
    :野球、ソフトボール、ゴルフ、水泳、ダイビング、エアロビクス、ラケットスポーツでのヘルニア患者での差はなく、過度の運動やスポーツがヘルニア発症の原因であるという証拠はな

 

腰椎椎間板ヘルニアの実習で必須の評価法

腰椎椎間板ヘルニアの評価法について信頼性(エビデンス)の高いものをピックアップしていきます。

デルマトーム分布を覚えておいてください。

 

腰椎椎間板ヘルニアの理学療法評価

  1. 問診
    1)足の痛みやしびれの有無
    2)足に痛みやしびれの部位(下肢支配神経の推測)
    3)痛み発生機序(咳やくしゃみ・安静時)
    4)痛みの持続性
    :上記の問診により、下腿まで放散する痛み、神経根の走行に一致する疼痛咳やクシャミにより悪化する疼痛、発作性の疼痛の 4 つが重要視される
  2. 画像
    :MRI画像
  3. 整形外科テスト
    :straight leg rising: SLR
    :大腿神経伸張テスト(femoral nerve stretching test: FNST)
  4. MMT
    :障害神経(デルマトーム)に沿った筋力低下
  5. 感覚検査
    :障害神経(デルマトーム)に沿った異常感覚
  6. 姿勢観察

 

意外と有用ではない評価

  1. ROM-test
    : 特に仙腸関節の動きに関する触診による評価の有効性は証明されていない
  2. 筋力、知覚、腱反射
    :低下は起こるが、筋力・知覚・腱反射などの神経学的所見は診断と一致しない(L1ヘルニアの診断だけどそれ以外にも症状が出たりするので、この検査のみで確定診断をしない)

 

straight leg rising: SLRの方法

被検者を背臥位とし、検者は被検者の踵を持って膝関節伸展位を保ったまま徐々に下肢を挙上していく。

床面から下肢がどの程度まで上がるのかを、床面からの股関節の角度によって識別する。

挙上してる途中で坐骨神経に沿った痺れや痛みが出ると陽性。

通常は70度以上挙上できる。

SLRは椎間板ヘルニアに対するもっとも重要な疼痛誘発検査である。

 

注意点として、菌の短縮や体が硬い人は70度も挙がらないことが多い。

その場合、ハムストリングスの伸張痛(鈍痛)なのか、坐骨神経の痛み(多くは痺れ、鋭い痛み)なのかを識別する必要がある。

腰椎椎間板ヘルニアのリスク管理

  1. 職歴
    :肉体労働、長時間のデスクワーク、不良姿勢など
  2. 手術
    :長期的にみると手術療法と保存療法での坐骨神経痛・復職率の優位差はない
  3. 動作
    :腰椎に負担のかかる動作


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腰椎椎間板ヘルニア(保存療法)のリハビリテーション

脊柱マニピュレーション(spinal manipulation)

施術者は手または用具を用いて脊椎関節に一定のスラスト(特定の角度による振幅で圧を加える)を行い、脊椎マニピュレーションを実施する。

圧の加減はさまざまで、スラストを行うと、関節を自然に動かすよりも大きく関節を動かすことができる。

厚生労働省eJIM | 脊椎マニピュレーション | 各種施術・療法 | 医療関係者の方へ | 「統合医療」情報発信サイト (ncgg.go.jp)

運動療法(exercise therapy)

  • ドローイング(腹式呼吸)
    :腹圧を高めて腰椎を保護する
  • 骨盤前後傾運動
    :椅子の上にやわらかいクッションを置き、骨盤を前後に動かす
  • ストレッチ
    :ハムストリングスを中心とした後面筋
  • プーリーエクササイズ
    :僧帽筋・広背筋を主とした背筋群の強化
  • マッケンジー体操 (腰痛体操) (McKenzie の運動療法)
    :急性腰痛に対しては短期間若干の効果は認められるが、慢性腰痛に対する効果は明確でない

 

【ドローイング】


【骨盤前後傾運動】

物理療法(physical modalities)

  • 急性期(受傷1週間)に寒冷療法、その後温熱療法や電気療法が効果的
  • 間欠牽引療法の効果は認められていない

 

装具療法

痛みがある場合は安静にし、コルセットを着用するなどして、腰に負担を与えないように運動療法や物理療法を提供する

 

腰椎椎間板ヘルニア(手術療法)のリハビリテーション

  • 術後早期からの漸増集中運動プログラムは、軽度のホームプログラムと比較して腰痛や回復に有意な差は認められなかった
  • 術後 4~6 週目に集中的運動プログラムを開始した場合、集中的運動プログラムの方が軽度運動プログラムよりも 1 年のフォローアップ期間では効果が高いことを示す結果と、有意な差を認めないとの相反する結果が得られている
  • 術後の早期単独腰椎伸展トレーニング群(トレーニング群)と自宅エクササイズ群(コ
    ントロール群)での比較結果は、トレーニング群では背筋力、疼痛、生活の質(quality of life: QOL)および職場復帰率の有意な改善が認められた
  • 術後の理学療法の特異的な有効性を示す具体的な介入法に関してのエビデンスはない。しかし、短期的に背筋筋力・疼痛・QOL の改善と復職率を向上させるとの報告は多く、術後可能な限り早期からの介入が奨められる

上記の事から、痛みに関しては運動負荷による改善の優位性は無いが、QOLや復職率は早期トレーニングを実施したほうが優位である。

早めの介入を心がけるべき。

 

運動療法(exercise therapy)

  • Williams(ウイリアムズ)体操
  • マッケンジー体操 (腰痛体操) (McKenzie の運動療法)
  • ドローイング(腹式呼吸)
  • 自転車エルゴメーター

 


【Williams(ウイリアムズ)体操】


【マッケンジー体操 (腰痛体操) 】

 

動作・生活指導

日常生活では腰椎に負担をかけない注意が必要。

腰をかがめた姿勢を続けたり、長時間の運転をしたりするのは避けるべき。

重いものを持ったまま腰をひねるなどの動作は特に避けるべき。

 

朝起きて顔を洗う時の動作指導

小さい踏み台を利用し、片足をかけて前かがみになると腰への負担は軽減する。

 

靴を履く、靴ひもを結ぶ時の動作指導

しゃがむ際はひざに手を置いてゆっくり座る。

かがんだ姿勢できるだけ腰を伸ばして、靴や靴紐の操作をする。

また、椅子に座って足台に足を置いて靴の着脱をするのも効果的。

 

床のものを拾う時の動作指導

必ずひざを曲げてしゃがむ姿勢をとってから拾い上げる。

ひざを伸ばしたまま腰を曲げて拾い上げるのは絶対に避けるように指導する。

 

重い荷物を持ち上げる・運ぶ時の動作指導

重いものを持ち上げる際も、膝を曲げてかがんでから両手で持ち上げる。

その時、荷物は出来る限り自分に密着・おへその前あたりで固定して運ぶ。

出来れば持ち上げずにキャスターなどを使って運ぶことが望ましい。

 

長時間のデスクワーク時の動作指導

デスクワーク中は猫背になりがちなので、30~1時間に1度は席を立ち、背すじを伸ばすストレッチを行うことが重要。

足を組む癖のある人は、意識的に左右均等に組むようにする。

 

 

腰椎椎間板ヘルニアのリハビリまとめ

理学療法ガイドラインを見ると、straight leg rising: SLRの有用性が認められている。

この評価を軸として、現状把握していけるとよい。

 

日本整形外科学会のパンフレット「整形外科シリーズ2 腰椎椎間板ヘルニア」も、合わせてどうぞ。

発症時期によっては運動療法の積極的な介入は避けるほうが良い場合もあるので、慎重な介入が必要。

 

痛みの出ない範囲での運動療法が勧められるとのこと。

腰椎椎間板ヘルニアは運動器疾患だが、神経学的な要素もあるのでよく勉強しておくように。

 

【参考】