理学療法士国家試験に落ちてしまった場合の行動をお伝えします。
自己採点で168点に届かなかった人、厚生労働省の合格発表で自分の受験番号が無かった人、そして国家試験が不安な人のための記事になります。
「国試に落ちた…どうしたらいいんだろう…」
あまりこんなことは考えたくはないんですが、国家試験に落ちたらどうしたらいいか?
というのを知っておくのは重要です。
国家試験は毎年1,500~3,000人くらいの人が落ちているので、他人事ではないんですよね。
理学療法士の国家試験に落ちたらどうなる?
内定は取り消し
国家試験に落ちたら当然、4月から理学療法士として働けません。
国試に落ちたわけなので、理学療法士として働けるはずがありません。当然、就職先への勤務は取り消しとなるので、かなり惨めで恥ずかしい気持ちになると思います。
病院によっては、次(来年)の国家試験に向けて現場で働いて経験を積ませてくれる(バイトとして雇ってくれる)こともあるようですが、そんなところはなかなか珍しいです。
基本的には無職になることを覚悟してください。
親とケンカ、無駄遣いをしてしまった罪悪感
国家試験に不合格になると親にはガッカリされますし、言い争いになってしまうことも。
だって親のお金を数百万円使い、結果が出せなかったわけですから親も怒ります。
親もバカではないので、あなたがどの程度勉強に精を出していたかはわかるはず。
全力を尽くしてダメだったなら仕方ないけど、そうでない人のほうが多いんじゃないかと思います。
落ちてしまったあなた自身も、数百万円を無駄にしてしまった罪悪感も出てくると思いますし、何と言っても4年物歳月が実らなかった虚しさにも襲われるかも。
友人と差が広がる
国家試験委落ちると、養成校の友人には気を使われます。
落ちたことに対する慰めはみじめですし、逆に何も言われないのも気を使われている感じがして嫌な物です。
卒業旅行も楽しめませんし、何より来年の受験で受かったとしても友人たちは「先輩」になります。
この1年の差は意外と大きく、一生埋まらない差になります。(技術・スキルの差は埋まります)
4月からはリハビリの現場で働く友人たちのSNSの投稿を見るのも嫌になり、疎遠になってしまうかもしれません。
国家試験に落ちて良いことは1つもないと思います。
国家試験後の「自己採点」で合格点に届かなかった時はどうする?
国家試験が終了した翌日には解答速報が出そろいます。
当サイトでも解答速報を実施する予定です。
いろいろなサイトの解答速報を見ながら自己採点したり、学校で自己採点をすると思いますが、自己採点で不合格だった時の対処法をお伝えします。
①学校の先生に報告する
自己採点で合格点にいかなそうだった場合、まずは学校の先生に相談すべきです。
担任もしくは信頼できる先生で良いです。
合格点に届かなかった場合、まずは先生に報告して、指示を仰ぐことが最優先になります。
すると、先生からは
- 複数の解答速報で答え合わせをしろ
- 結果発表まで待て
という指示が入ると思います。
とにかく、合格が危ぶまれる方は先生に報告すしましょう。
ちなみに、170点以下の人も一応報告しておいたほうが良いです。
170点の人も不合格の可能性があります。
②親への報告はどうする?
親への報告はまだしなくていいと思います。
自己採点はあくまで自己採点、実際に厚生労働省が発表する合格発表まで結果は伝えなくて良いです。
ただ、心配をかけない為と当日にショックを与えないために「頑張ったけど手ごたえはイマイチだった・・・」と、ちょっとヤバそうなニュアンスを伝えておくのも手です。
そうすれば実際に不合格だったとしてもダメージは少ないですし、合格すれば安堵します。
③内定先への報告はどうする?
内定先への報告はしなくていいです。
実際に合格発表がでたら報告してください。
自己採点で167点以下でも諦めない
167点でも必ず落ちるとは限りません。
国家試験には不適切問題として点数加算されない問題が1~2問あります。
第54回国家試験では実地問題で不適切問題があり、合格ラインが272点中164点以上・実地問題は117点中41点以上という結果でした。
だから165点以上取れてる人はあきらめないように!
逆に、不適切問題によって168点以上取れていたのに不合格になる可能性もあります。
心配な方はこちらの記事をご覧ください。
理学療法士国家試験の「合格発表」で不合格だった時はどうする?
実際に厚生労働省の合格発表で「不合格」だった場合の行動をお伝えします。
①学校の先生に報告する
まずは学校の先生に報告しましょう。
学校側も生徒の受験番号を把握してますし、だれが不合格だったかはわかっています。
報告しない場合、呼び出しがあると思います。
そこで今後の事を聞かれます。
つまり「来年も受験するかどうか?」です。
受験する場合、勉強するための環境を整えてくれるかもしれません(図書室や学習部屋を貸してくれる、予備校を紹介してくれるなど)。
ちなみに留年はできません。
国試の受験資格が「養成校卒業していること」なので、受験した瞬間あなたは卒業生ですから。
学校で勉強したいならまた1年生からやり直す必要があります。
②内定先の職場に報告する
国家試験が不合格だった場合、早急に内定先に連絡は入れておくべきです。
なぜなら、職場はキミの入職に向けて準備を進めているから。
書類やロッカー、ケーシーなど色々大変なんですよ。
だから結果はできるだけ早く伝えたほうが良いです。
不合格を伝えたからといって、別に文句とか言われません。
たまに「来年受験するならウチでバイトしながら勉強しないか」と誘われることもあります。
③親に報告する
親へ報告するのがいちばん辛いです。
学費と生活費に何百万も使わせて、内定も取り消しになったら親はショックですよ。
子供にそんな姿は見せないと思いますけどね。
でもきちんと報告して、今後どうしたいのかをしっかりと伝える必要があります。
④その他身辺整理をする
- 新しく契約したアパートのキャンセル
- 実家に戻るための引っ越し
- 生活のためのアルバイト探し
- 教科書や医療器具の保管・破棄
新生活に向けた準備をします。
なんで理学療法士の国家試験に落ちるの?
体調不良
国家試験当日に体調を崩し、力を発揮できないと国家試験に落ちてしまう事があります。
国家試験は1年に1回しかないので、絶対に体調を崩さないようにしてください。
- 前日は徹夜せず早く寝る
- マスクをして寝る
- 加湿をしっかりする
- 栄養を十分に取る
この4つを心がけてください。
特に国家試験の数日前から、夜更かしせず12時前には寝るようにして下さい。
睡眠不足は一番の大敵です。
あとはインフルエンザやコロナにも十分気を付けるように!
勉強不足
勉強が十分ではないと、国家試験に合格するのは難しいです。
国試の勉強は何月から始める?合格するための開始時期と時間【理学療法士国家試験対策】 | 花坂かPTS (ptkimura.com)でもお伝えしているように、十分な準備期間が必要です。
最低でも11月には勉強を始めておきたいですね。
そして、1日の勉強時間は最低でも6時間です。
もちろんダラダラ勉強する6時間は無駄なので、学校の授業と同じように90分やって10分休憩というサイクルでやっていくと良いと思います。
そうすればAM3時間、PM3時間で十分です。
もう全然勉強をしていない人はこちらの記事をご参照ください。
まだ間に合うかもしれません。
意識不足
本当に理学療法士になりたいですか?
「絶対に合格するぞ!」という強い気持ちで試験に臨めていますか?
僕の学校の先生が言っていましたが「合格しなけりゃただの人」、まさにその通りだと思います。
国家試験に合格すれば理学療法士、不合格なら医療知識のあるただの人です。
勉強量は、周囲のクラスメイトと比べて劣っていませんか?
勉強の質は十分ですか?問題集をただ能動的に解くだけでは合格できませんよ。
また来年受ければいい、1回落ちてもどうにかなるだろうと考えていませんか?
自分には絶対無理だと思っていませんか?
その結果、不合格になって笑っていられますか?
絶亭に合格するという強い意志が必要です。
そうじゃなきゃ、とても6時間の勉強を何か月も続けられませんよ。
不合格になるのは自己責任
不合格になった原因はあなたにあります。
厳しい言い方になって申し訳ないです。
「みんなが念入りに準備出来るわけじゃない」「みんなが勉強をできる環境にあるわけではない」
そんな意見を頂いたことがありますが、もっともなご意見です。
注意をしていても体調不良になってしまうかもしれませんし、小さな子どもを育てながら学校に通っている女性もいます。
でもそれを含めて自己責任です。
仮に体調不良で不合格になったとして、「体調不良だったからもう一回受けさせてほしい」といってすんなり認められるわけないじゃないですか。
むしろ体調不良でも合格する人は大勢いますよね。
国家試験は自己責任です。
準備不足・勉強不足・事故や悪天候による遅延・体調不良・・・全て自分の責任です。
厳しいですが、本当なんです。
ぼくは試験前日、会場の近くのホテルに泊まりました。
試験前日に、試験会場まで実際に歩いて下見をしています。
落ちるのも受かるのも自己責任なんですよ。
みんな20歳超えてる大人なんだから理解できると思います。
国家試験に落ちたからといって終わりではない
まず知っておいてほしいのは、国家試験に落ちたからもう終わりだ…というわけではありません。
確かに、理学療法士として4月から働くことはできませんが国家試験受験資格は残っています。
養成校を卒業していればまた翌年の国家試験は受けられるので、落ち込まないですでに翌年の国家試験を目指してください。
ちなみに、第54回理学療法士国家試験の既卒者(現役じゃない人)の結果は以下の通り
【既卒者合格率】
- 受講者数:2,002人
- 合格者数:964人
- 合格率:48.1%
現役生は92.8%だったので合格率は下がりますが、再挑戦して合格している方も大勢います。
諦めずにもう1度チャレンジすることをおすすめします。
国試浪人中の過ごし方
国試に落ちてまた翌年受験しようと考えた場合、アカデミー(塾)に入るのが一般的です。
学校の支援なく1人で1年間勉強するのはさすがにキツイので、5月か6月くらいから塾に入るようです。
そして、国家試験合格を目指して週に1~2回勉強していくんです。
もちろん、自宅学習も継続してくださいね。
後は、働いて生活費を稼ぐのですが、基本的に勉強時間を確保するためにアルバイトをするのが普通じゃないでしょうか。
たまに内定を貰った病院でアルバイトとして採用され、勉強しながら仕事を覚えさせてくれる場合もあります。
仕事に精を出しすぎず、しっかりと勉強もしてくださいね。
出来る限り毎日勉強する
国家試験に落ちてしまった場合、来年も受けると決めたら出来るだけ毎日勉強してください。
「まだ来年まで時間があるからいいや」と思っていたら絶対に合格しません。
あなたのライバルは、今の大学4年生たちです。
彼らは毎日学校で勉強し、実習にも行っています。
あなたは休んでいる暇なんてありません。
過去問を1日20問解くだけでもいいので、必ず毎日机に向かい勉強をする習慣を継続してください。
それが出来ないとまた落ちますよ。
まとめ:国家試験に落ちたらまずは先生に報告!
国試の自己採点で167点以下だった場合、まず最初にやることは先生に報告です。
合格者はべつに報告しなくてもいいんですが、不合格者はまず報告することが急務になります。
そこで、今後の行動を指示してもらってください。
国家試験で落ちるのは相当なショックを受けるかもしれませんが、それですべてが終わったわけではありません。
また翌年も受験できますし、なんなら理学療法士以外の働き方だってあります。
あまり取り乱すことなく、落ち着いて対処してください。
そして、あくまで厚生労働省の合格発表があるまでは慌てずに待つことをおすすめします。
合格発表の記事はこちら
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